トルーマン・カポーティ『夜の樹』(1994)


ブックファースト新宿店・秋の企画、
「名著百選2017」で選んだ一冊。
漫画家・板倉梓さん推薦、
トルーマン・カポーティ『夜の樹』(新潮文庫、1994)を読む。
ティファニーで朝食を』『冷血』で知られ、
映画化もされたカポーティは名前は知っていたが、
作品は読んでいなかった。


夜の樹 (新潮文庫)

夜の樹 (新潮文庫)


この文庫は、 "A Tree of Night and Other Stories”、
"The Thanksgiving Visitor" の二冊の底本から9作品を編んだ短編集。
最後に収めた「感謝祭のお客(The Thanksgiving Visitor)」以外は
1945年から49年までの間に、カポーティが20代で書いた8作品だ。
感性のみずみずしさ、言葉の連なりのリズムのよさ
川本三郎の翻訳が見事)にすっかり酔い痴れてしまった。
これが小説を読む醍醐味なんだな。



(T.Capote/Vintage Books裏表紙より引用)

The Grass Harp (Vintage International)

The Grass Harp (Vintage International)


英語原文と比較対照して読みたくなって、
Truman Capote "The Grass Harp including A Tree of Night
and other stories" (Vintage Books, 1993) を図書館で借りてきた。
村上春樹が自分で翻訳したくなるのが分かる英文だ。
原文、川本訳、村上訳を比べて読むのも面白そうだな。


晩年、ニューヨーク時代のカポーティ
世間の虚名に包まれたまま、心臓発作で急死する。
絶筆「叶えられた祈り」は未完で終わった。


ティファニーで朝食を (新潮文庫)

ティファニーで朝食を (新潮文庫)

wikipedia:en: Truman Capote


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