一見奇異に映る配置にも理由がある(藤井聡太)


スクラップブックから
朝日新聞2018年4月6日朝刊
藤井聡太将棋六段 寄稿全文



   朝日杯では、早指しとはいえ
   羽生善治竜王佐藤天彦名人に勝利することができ、
   優勝という結果を含めて手応えを得られた。
   (略)


   そんな中で、将棋ソフトを使い始めたことが
   一つの転機となった。
   ソフト同士を対戦させてみると、
   序盤から今まで見たこともないような局面に展開していく。
   しかし一見奇異に映る配置でも、しばらく考えると、
   それなりの理由があるのに気付かされることも多かった。
   (略)


   一方でソフトを使うことはリスクもはらんでいる。
   一つ間違えれば、思考そのものをソフトに委ねて、
   自ら考えるのを放棄することになりかねないからだ。
   これからもソフトの価値観を取り入れつつ、
   自分の読みも大事にしていきたいと思う。



将棋ソフトを使って学ぶことにも柔軟で、
自分の読み、可能性を信じて試行錯誤したいと語る藤井六段。
新世代の、頼もしいヒーローだ。
笑顔が実に魅力的だね。