新作人気書籍を除けば、
かなりの種類の本が図書館で順番を待たずに借りられる。
気に入った作家の旧作を読むには具合がいい。
柚木麻子『本屋さんのダイアナ』(新潮社、2014)を読む。
- 作者: 柚木麻子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/04/22
- メディア: 単行本
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主人公ダイアナの友人で、
12歳のときにふとした誤解からダイアナに絶交を告げた彩子。
何不自由なく育てられ共学の大学に入り、
誘われたサークルで飲めないお酒を飲み、
ほのかに好意を寄せていた先輩にレイプされる。
なんだか暗澹たる気持ちになって、
先を読むのがつらくなった。
翌日気を取り直して続きを読むと、
そこはストーリーテラーの柚木、
予想を超えた展開を読者に次々見せていく。
伏線の一文は張ってあった。
ダイアナも彩子もあの時はまさか、
次に言葉を交わすのが十年後だなんて思ってもみなかった。
(p.79)
嘘くさいハッピーエンドでなく、
抑制された明るさの読後感が過不足なくて心地いい。
たくさんの読者が柚木作品を待ち望むのがよく分かる。
- 作者: 柚木麻子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2016/06/26
- メディア: 文庫
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(書下ろし最新作が出ましたね!)
wikipedia:柚木麻子