丸二青果も消えたのか


土曜日にシャッターが降りているので
「あれ?」と思った。
僕がよく利用する丸二青果、
ときどき100g120円の切り落としハムを買う
精肉店アンデスが入っている場所だ。
裏を回って覗いてみると、
すっかり跡形もなく片付けられている。
よもや、ここも建て替えで追い出されたのか!



丸二青果三本柱のおばさんのひとりは
僕が太極拳の稽古帰りに夜食を買う中華料理店
福ちゃんでときどき見かけた。
仕事が終わって友だちと一杯やっているのか
と思っていたけれど、
再就職の相談だったのかもしれない。


えのき湯。清水酒店。魚卯。三栄青果。
僕が好きだった場所が
町から一箇所、また一箇所と消えていく。
丸二青果も消えたのか。



最寄りの私鉄C駅に準特急が止まるようになってから
僕は危ないと思ってきた。
便利には代償が伴う。
便利になれば、マンションが建ち、
その住人たちの財布目当てにより大きな資本が乗り出してくる。


個人店、まして土地を持たず
他人に家賃を払って店をやっている個人店は
資本攻勢が始まるとひとたまりもない。
契約切れのタイミングで
嫌も応もなく追い出される。
資本主義の原理はそうなっているのだ。


丸二青果は仕入れがうまくて、
品物はちゃんとしているのに価格が安いのが気に入っていた。
東日本大震災後も福島の野菜・果物の安全性が確認されると
いち早く仕入れて、被災地を応援していた。
寂しくなるな。