天国には行けないんですもの(岸井慶子)


スクラップブックから
朝日新聞2018年9月5日朝刊
読者投稿欄「ひととき」 会いたいです
東京都練馬区 岸井慶子(教員、69歳)


   二度目の単身赴任ですね。
   もう慣れましたか?
   たまには顔を見せてください。
   子どもたちも、猫のジョリーも、
   きっと会いたがっていると思いますよ。
   (略)


   前回は熊本でしたね。
   あの頃、こちらでは長男がまだ受験生だったり
   次男が食べ盛りだったりして、
   2人を置いてそちらにいくのは難しかったです。
   交通費もバカにならないし。
   (略)


   今は子どものごはんづくりの心配もいらないし、
   交通費も何とかできるゆとりがあります。
   でも、私が会いに行くことはできません。
   だって、飛行機でも特急電車でも、
   あなたの好きな船でも、
   天国には行けないんですもの。


   そのうちきっと、いいえ、
   もしかしたらすぐに、
   私の方からそちらに行きますよ。
   だから、待っていてね。



読者投稿の視点、表現に
ときどきハッとさせられます。
伝えたい思いがあるからでしょうか。


岸井さん、職業は「教員」とありますが、
文章が上手いから、国語の先生なのかもしれませんね。
69歳でも現場で働いていらして素晴らしい。
単身赴任のご主人のところに遊びに行くのは
もう少し先に延ばしてもいいのでは?