二人の相性がよほどいいのだろう。
読み進むほどに楽しくなってくる一冊だ。
佐藤優・片山杜秀『平成史』(小学館文庫、2019)を読む。
- 作者: 佐藤優,片山杜秀
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2019/05/02
- メディア: 文庫
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丁々発止の二人の対論はもちろんだが、
文庫とは思えないほど充実した構成が本文を支えている。
年表、脚注、ブックリスト、シネマ&ドラマリスト。
読了後、保存資料として必要に応じて参照できる。
構成としてクレジットされている山川徹の仕事だろう。
片山は「文庫版まえがき」で
平成史を「オウム史」に絡めてこう書いている。
平成の終わる前に、新天皇即位に伴う恩赦があるとしても、
そこにオウム真理教の死刑囚の問題を絡めたくないので、
改元前、少し早めに死刑執行してしまうのは、国家の論理として当たり前。
昭和の終わりに生まれ、平成の終わりに死す。
平成史はこのように「オウム史」としても語れてしまうのです。
(p.007)
一方佐藤は「文庫版あとがき」をこう締めくくる。
平成時代の特徴は、日本が戦争の直接的当事者にならなかったことだ。
この伝統を次の時代にも引き継ぎたい。
本書に私はそういう想いを込めた。
(p.526)
本書は2018年4月に単行本として刊行。
文庫版新章として「平成が終わった日—平成30-31年(2018年-2019年)」を収録。
単行本を持っている読者の中には
この新章、文庫版まえがき(片山)、同あとがき(佐藤)を読みたいために
文庫を購入する人もいるだろう。
僕は発刊記念トーク・ライブ(新宿・紀伊國屋書店ホール)に申し込み
二人の署名入り文庫を購入した。
片山さんのサインが壮絶ですね。
トランプ大統領の署名(写真下)といい勝負です。
佐藤さんのサインはなんだか可愛らしい。
素顔の人柄が出ている感じです。
佐藤さんの署名本、2冊目になりました。
(1冊目はメルマガ読者プレゼントで当選した『外務省犯罪黒書』)
- 作者: 佐藤優
- 出版社/メーカー: 株式会社講談社エディトリアル
- 発売日: 2015/12/04
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- 出版社/メーカー: 小学館
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