月に一度、京橋まで出掛けます。
10月から再開した同志社講座に通っています。
僕が現在取っている講座は、
対論に学ぶ「佐藤優さん・中村うさぎさんと読む フランツ・カフカ『 城』」。
お二人とも同志社出身です。
- 作者:フランツ カフカ
- 発売日: 2006/06/01
- メディア: 新書
マスクをかけアクリル板の向こう側講師席に座る佐藤さんが冒頭、
ブツブツ小声で何か言ってます。
「……菊池寛賞だって、何でもらったのかまったく分からないし……」
あれ、菊池寛賞、佐藤さんもらったのかな。
さっそくiPhoneでチェックです。
出てました、出てました。
林真理子さんら全5人(組)が第68回菊池寛賞に選ばれています。
佐藤さんの授賞理由はこうあります。
『国家の罠』で2005年にデビュー以来、
神学に裏打ちされた深い知性をもって、
専門の外交問題のみならず、
政治・文学・歴史・神学の幅広い分野で執筆活動を展開。
教養とインテリジェンスの重要性を定着させる
菊池寛賞は芥川賞・直木賞ほど有名ではないですが、
同じ公益財団法人・日本文芸振興会が主宰している賞です。
(理事長、業務執行理事は文藝春秋の社長、専務が務めています)
Q:菊池寛賞とは?
A:文藝春秋の創業者・菊池寛(明治21年~昭和23年)が
日本文化の各方面に遺した功績を記念するための賞で、
昭和28年から現在の形になりました。
文学、映画・演劇、新聞、放送、出版、その他文化活動一般において、
前年9月から8月までの1年間に、最も清新かつ創造的な業績をあげた人・団体、
もしくは永年に亘り多大な貢献をした人・団体に贈られます。
正賞は置時計、副賞は100万円。選考顧問会が毎年10月初旬に開かれ、
受賞者・団体は「文藝春秋」12月号で発表されます。
現在の選考顧問は、阿川佐和子・池上彰・保阪正康・養老孟司の各氏です。
佐藤優さん、批判や攻撃にはめっぽう強いけれど、
褒められることは案外苦手なのかも。
それにしても、「文藝春秋digital」に掲載されている佐藤さんのポートレート、
ちょっと不気味なんですけど……
片山杜秀さんのお祝いの言葉を
文藝春秋digitalから引用します。
佐藤さんは万能人です。
むろん、もとから万能の人などいるわけはありません。
驚嘆すべき勉強家なのです。
刻苦勉励の真の意味を知っている。
しかし現代はルネサンス期ではありません。
いくら勉強しても、レオナルド・ダ・ヴィンチのように
すべての学芸に精通するわけには行きません。
では佐藤さんはなぜ万能人なのか。
勉強の仕方、その奥義を分かっているのです。
最大の効率と最強の集中力で凡百の専門人をなぎ倒してしまう。
しかもいつもピントが合う。
眼力が凄い。
その凄さはどこから来るか。
佐藤さんは神学の徒です。
天の目、鳥の目、形而上学の視点を持っている。
その一方で、情報分析に携わる外交官としてのキャリアがあり、
獄中まで体験している。
地の目、虫の目を持ち、
人の情の機微、本居宣長風に言えばもののあはれに通じている。
そしてこの世のすべては
天の目と地の目という遠近両用眼鏡を持っていれば分かるのです。
私は現代日本においてそういう人を他に知りません。
ますますのご活躍を!