お互いマスクの目が笑い合った(山本千鶴子)

クリッピングから
毎日新聞2020年8月3日朝刊
読者投稿欄「みんなの広場」
「心の密」はいいなあ
無職 山本千鶴子 78 (大阪府高槻市


日々を丁寧に暮らしているらしき方の投書は
細部まで読むのが楽しい。


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  梅雨明けも間近と思われた先日、
  小雨の中を晴雨兼用傘で、日課にしている散歩に出た。
  そのまま買い物に行く場合もある。
  

  小さな池ではハンゲショウアジサイスイレンなどが咲き、
  アオサギを見かけることもある。
  ウシガエルの鳴き声も
  時にはユーモラスに聞こえることがあり、
  和ませてくれる。


  この時期は、塩ひとつまみを加えた
  水筒の湯冷ましが欠かせない。
  これで水分補給だ。
  そして、この日は残りの食材を確認して
  リストアップしたメモをポケットに入れて買い物へ。


  お店で消毒を済ませ、
  カートを脱してかごを載せようとした時、
  お隣で人生の少し先輩がカートを出された。
  おせっかいで「どうぞ」とかごを載せた。


  すると「ありがとうございます。
  左の腕が痛むので助かります」と言われ、
  私は「お大事に」。
  お互いマスクの目が笑い合った。


  ちょっとした気持ちの交流。
  やっぱり「心の密」はいいなあ。


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「塩ひとつまみを加えた水筒の湯冷まし」持参で
自然や人と少しだけ交流する散歩&買い物。
真似したくなりました。