その態度を「正気」と呼びます(上野千鶴子)

クリッピングから
朝日新聞2021年10月23日朝刊別刷be
「悩みのるつぼ」回答者 社会学者 上野千鶴子


昇進格差に悩む50代女性の相談。
営業部門にいるため、どんなに頑張っても課長補佐止まり。
今後の人生に取り組む心構えは?


上野さんの回答から引用します。


  とりあえず定年まで勤めて退職金と年金は確保しましょう。
  会社ファーストより自分ファーストです。
  自分のエネルギーと時間の配分の優先順位を考えましょう。


  会社の中でタテ出世するのに対して、
  会社の外でなくてはならない人材になるのを「ヨコ出世」と呼びます。
  営業畑で業績をあげてきたあなたなら、
  どこに行っても通用するでしょう。


  「定年男子」に対してこれからは定年女子も
  退職後の職場ロスに苦しむだろうと予測するひともいますが、
  わたしはそんな定年女子を見たことがありません。
  なぜなら女性は会社に半身でしか関わってこなかったからです。


  それというのも男並みに貢献しても
  男並みに報酬が返ってくるとは限らないと、
  骨身に沁(し)みて知っているからです。
  そしてその態度を「正気」と呼びます。


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さすが、上野先生、快刀乱麻!
相談した女性読者は
この回答をどう受け止めたでしょうか。