クリッピングから
讀賣新聞2023年5月16日朝刊
読売歌壇(俵万智選)
今週の好きな歌3首、抜き書きします。
半分を過ぎれば下り坂になり
ぐんぐん頁が減る文庫本
高島市 宮園佳代美
【評】途中からエンジンがかかって、
どんどん頁(ページ)をめくる手が止まらなくなる読書。
「下り坂」に実感がこもる。
そこに至る「上り坂」の時間も含めて、
共感を誘う表現だ。
水切りの数だけ強くなれそうな
退職の日の青い湖
小諸市 藤 雪陽
遠くまで行ける汽車から降ろされて
ここから始まる息子のフィールド
三次市 山本美和