読書の秋、物干しの椅子


読書の秋である。
ある晩、副会長と近所で一杯やった帰り、
粗大ゴミのシールが貼ってある椅子が目に入った。
ふむふむ、我が家の物干しにこの椅子を置き、
好みのお茶を用意して読書のひとときを過ごしたら
さぞ気持ちがよかろう。
持続可能な社会がテーマになっている昨今である。
粗大ゴミ回収業者になりかわって、僕がいただいていくことにした。



晴れた土曜日、バケツにお湯をはって、
タワシと雑巾できれいにしてやった。シールにタイ製とある。



物干しに素足で出ると足の裏が汚れるから
島根のばぁちゃんが手編みでつくった草履とセットにしてやる。
これでよい。


哲学でも歴史でも経済でも
物理でも外国語でもマンガでもなんでもこい。
頭の胃袋で片っ端からバリバリ食らいついて滋養にしてやる。




野の花は 自慢もせずに 咲いている (風)