岡田英弘『世界史の誕生ーモンゴルの発展と伝統』(1992/2011文庫)


岡田英弘世界史の誕生』を読む。
以前読んだ『歴史とはなにか』と比べると、
参考文献紹介、論理の運びなどが丁寧で充実している。
モンゴルを中心に世界史を編む岡田の試みがよく理解できた。


世界史の誕生─モンゴルの発展と伝統 (ちくま文庫)

世界史の誕生─モンゴルの発展と伝統 (ちくま文庫)


僕が敬愛する宮崎市定とはまるで見解が違うようだが、
それがアカデミズムの多様性と言うものだろう。
ともすれば辺境と片付けがちなモンゴルから
中央ユーラシア全体を見通す岡田世界史観は壮大である。



異端児が発言でき
かつその世界でポジションを持てることが
知のダイナミズムには必要である。
岡田の代表作を僕はそんなふうに楽しんだ。
1206年春、モンゴルを起点に世界史が組み立てられるとは
岡田の著書を読む以前に考えたこともなかった。


歴史とはなにか (文春新書)

歴史とはなにか (文春新書)


(文中敬称略)