秋山郷で遊ぶ


今度の旅は二泊だから二日目は遠足に出かける。
南へ車で二時間ほど下る秋山郷である。



我が家には博覧強記の人がいて、
ここが民俗学者宮本常一が訪れた土地であることを知っている。
宮本はありとあらゆる辺境を己の足で訪れているのだ。
柳田国男とはフィールドワークの深さが違う」と博覧強記は言う。



萌木の里で湯につかる。
残念ながら露天は閉鎖である。
外気温は2℃。
40℃の源泉を加熱しても露天風呂は温まらない。
副会長も同居人も
「まんねん荘の湯質の方が上だな」と評価していた。
窓外の景色を眺めながら湯につかるのは上等だけどね。



山一面の紅葉黄葉に初雪が降ってきた。
都会人は無邪気に喜ぶが
雪の季節の訪れは土地の人には仕事が増えることを意味する。
上り高速道路が湯沢ー水上間で通行止めになり、
都会人もようやく事の次第を知る。
さて、翌朝、無事に帰ることができるかどうか。



人力でも念力でも雪は止められないから、
女将の寝酒ジョニー・ウォーカーを三人でいただく。
テレビのニュースは全国的にこの冬一番の冷え込みだと伝えている。