いざ、聖地・山田旅館の元湯へ

4月の魚沼・栃尾又温泉以来の秘湯会遠征。
2003年8月の結成から三度目となる小谷(おたり)温泉、
湯元山田旅館に向かう。



6年に及ぶ秘湯会の関東圏天然温泉の旅の記憶で
その湯質において常にトップ3の座を譲らないのが
山田旅館の元湯である。
秘湯会はときどきこの聖地を訪れ、
結成の志を新たにするのだ。



能書きには、こうある。


  元湯の湯は明治26年ドイツで開催された温泉博覧会に、
  日本を代表する4大温泉(別府、登別、草津、小谷)の1つとして、
  内務省特撰で出泉されました。


自慢しながらも自らを四番目に記すのが
小谷の奥ゆかしさである。



三連休初日。小中高生の夏休み初日。ETCで高速道路1,000円。
これだけ条件が揃うと普段の倍の時間がかかり、
短い昼食休憩をはさんで6時間半の大遠征となった。
秘湯会がこの世でもっとも嫌うもののひとつが渋滞である。



  (内湯と露天は源泉が異なる。内湯は元湯と直結)


小谷温泉は長野と新潟の県境にあり、
山一つ越えれば日本海はすぐそこだ。
したがって山奥の宿にしては山菜、魚貝が豊富である。
秘湯会の選ぶ宿だから一泊二食付き、
10,000円でお釣りがくるのを原則よしとする。
(ケチなのではない。質素なのである。)



  (夕飯のおかずに出たエゾメバルの塩焼き)


副会長も僕も久々山田の名湯につかり、
全身フニャフニャはおろかグニャグニャになってしまった。
そのくせ角の水割りを何杯お代わりしても
二日酔いにはならない。
水が違う。


浮き世の垢を洗い流す秘湯会の夜は
しんしんと更けていったのである。