アメリカの友人が「猫の手」にやってきた


友人Gさんから久しぶりに連絡が入って
一緒にランチを取ることにした。
Gさんはアメリカ人で
サンフランシスコ、東京、ハワイに住まい兼事務所を持ち、
映像プロデューサー/ディレクターとして世界中を飛び回っている。
30年以上付き合いが続いている友人だ。


お互いの近況報告がてらGさんの相談に耳を傾ける。
僕が始めた極小ショップ「猫の手」の業務領域でもあるのが、
ひとまず他人の相談に耳を傾けることだ。
まずは自分の意見、感情を抑え(これが難しい!)、
虚心坦懐に話を聴く。
しかる後自分の意見、考えを、
できる限り率直に伝える(これもやっぱり難しい!)。



自分で選び、勤務先に承認してもらった肩書き
「クリエーティブ・アドバイザー(Creative Adviser)」に
忠実であろうとするなら、そうした所作が基本になる。
そこまで考えて肩書きを決めたかどうかは自分でも怪しいが、
その肩書きが現在の職業的良心を支配し始めたのは面白い現象だと
他ならぬ僕が感心している。


Gさんがこれから抱えるであろう仕事のリスクについて
僕が考えられるすべてを率直に話した。
つつましく暮らしてはいてもわざわざ訪ねてくれた友人に
ランチ、喫茶くらいはご馳走しようと思っていたが、
勘定はGさんが済ませてくれた。
相談料として有難く受けることにした。



ちなみにランチは僕がときどき通うお総菜中心の店で
どのメニューも700円。
ゆっくり話したいというGさんの希望で
偶然見つけた「ルノアール」で頼んだカフェオレ、670円。
(値段は高いようだが、2時間滞在しても大丈夫なのが
このチェーンがサバイバルしている理由のひとつだ)
次回は、これくらいは僕にご馳走させてね、Gさん。



  (わが極小ショップ「猫の手=Cat's Paw」ロゴマーク
   高橋優デザイン)