今週は宗教に関するシンポジウムに縁のある週だった。
メルマガ「佐藤優直伝・インテリジェンスの教室」で開催を知り、
申し込んでおいた。
角川財団主催、朝日新聞/KADOKAWA共催連続シンポジウム(全3回)
「激動する世界と宗教—私たちの現在地」聴講のため
有楽町朝日ホールに出かけた。
第1回は「宗教と資本主義・国家」。
このイベントの仕掛け人は誰で
どんな風に実現したのか推測してみた。
角川財団・角川歴彦と佐藤優は親交が深い。
二人が企画骨子を作り、佐藤が盟友・池上彰に声を掛け、
かつ全体のファシリテーターを松岡正剛に依頼。
松岡が毎回テーマに沿って
新進研究者各2名、計6名をリストアップ。
その仕掛けに朝日新聞が乗ったというのが
僕の推測したシナリオだ。
当たってるかな?外したかな?
第1回の構成は以下の通り。
第1部 対談:池上彰 x 佐藤優
「宗教は資本主義を超えられるか」
第2部 講演:若松英輔
「人間中心ではなく、見えないものへの多層的視座をもつこと」
講演:碧海寿広
「日本の近代仏教を紐解くと中世より面白い」
第3部 パネルディスカッション:
松岡正剛 x 池上彰、佐藤優、若松英輔、碧海寿広
600席ほぼ満席の参加者は20代から70代まで幅広く、
男性6割、女性4割といったところか。
4時間半に及ぶ、中身の濃いシンポジウムで
入場料3,000円は格安。
三巻本にまとめる角川書店、
特集記事を組む朝日新聞社が合わせて2,000円ほど負担したか。
タイアップでなければ5,000円は取りそうだ。
熱心に聞き、メモを取る役割を果たすことで
600人の観客は割引価格で参加した計算になる。
「有料サクラ」と言うべきか。
(以上も筆者推測)
先日参加した東工大リベラルアーツ研究教育院主催シンポジウムも
平凡社とのタイアップで出版前提だ。
講師、会場、スタッフ、機材すべて自前で
予約不要、入場無料での実施は見事だった。
在野の読書人・知識人を巻き込んだこうした知的イベントは
出版不況にも一石投じることになると僕は思う。
第2回は9月、第3回は18年3月開催。
問い合わせは宗教シンポジウム事務局まで。
ちなみに朝日ホールを常打ち小屋とする朝日名人会は
今回のシンポジウムと同数5人の噺家が出演して
指定席4,300円でございます。
次回第172回は9月16日(土)。
(文中敬称略)