あとは野となれ、山となれ(三上敏子義母)


スクラップブックから
朝日新聞2018年8月22日朝刊
読者投稿欄「ひととき」


   義母の言葉を胸に
   東京都練馬区 三上敏子
   主婦 71歳


   私は近ごろ、義母のことを
   懐かしく思い出している。
   昨年12月に104歳で旅立った。


   義母は私が相談すると
   「明日は明日の風が吹く
   「あとは野となれ、山となれ」
   とよく言っていた。


   私は、一見、投げやりで無責任な言葉のようで、
   その言葉をあまり好ましく思っていなかった。
   だが、70を過ぎ老境に入った時、
   104年という歳月を一生懸命に生きてきた人の言葉として
   反芻(はんすう)してみると、
   何と含蓄に富んだことを言っていたのだろうと
   思うようになった。
   (略)


   私は、日常のささいなことに一喜一憂したり、
   将来のことを思って心が暗くなったりしている。
   だが義母のように、ありのままの日常を生きていけば
   いいのだと思う。
   (略)



三上さんの義理のお母さまのような方が
「あとは野となれ、山となれ」と言うと、
ずいぶん印象が変わるもんですね。
きっとご自分のやれることは
きちんとおやりになった方なのでしょうね。
(同じ台詞を政治家が発言したら全然印象が違いますよね〜)


こうした達観を持てるのは
人生の妙味のように思えました。