来月もまた会えると信じている(春木美子)


スクラップブックから
朝日新聞2018年5月10日朝刊
読者投稿欄「ひととき」 来月も3人で
静岡県三島市 春木美子(アルバイト 68歳)



   「ランチをしませんか」
   と、元上司から電話があった。
   「いいですね」と私は声を弾ませる。
   「Mさんの体調も良いから誘ってみましょう」と元上司。
   Mさんは元同僚だ。
   (略)


   私たち3人はがんサバイバーだ。
   昨年、私が告知され、不安を恐怖で奈落の底にいる時、
   元上司は真っ先に駆けつけてくれた。
   (略)


   職場が同じだった時は近寄りがたいイメージだったが、
   今は頼れる人だ。
   (略)


   今、私たちは小康状態で毎日を送っている。
   今回はMさんの希望で、魚料理を食した。
   (略)


   私は仲間がいたから
   今も同じように仕事を続けることができ、
   支え合っていると思った。
   来月もまた会えると信じている。



がんを告知され「小康状態」で暮らす日々が
不安でないはずがない。
けれども、春木さんの投稿を読んでいると、
三人ががんサバイバーであるからこそ、
支え合う関係が生まれ、続いていると思えた。
最後の一行が重たい。