スクラップブックから
朝日新聞グローブ 2018年9月2日号
「中東の新しい地図」
激しく動く中東について
知識を更新するのに役立つ、力の入った特集だ。
浮かび上がる「イランの弧」
三日月地帯
特派員をしていたドバイから4年前に帰国した私は、
最近の中東情勢の様変わりがうまくのみ込めずにいた。
調べ始めると浮かんだ「三日月」という言葉を手がかりに、
現場へ向かった。
(略)
イランからイラク、シリアを経て、
ヒズボラが根を張るレバノンへ—。
二つの戦闘を経て、革命防衛軍とヒズボラ、
そして気脈を通じるシーア派軍事組織が点在する
「つながり」が強まっていた。
確かに、地図の上では三日月のように見えなくもない。
(略)
「抵抗の枢軸」。
ヒズボラの最高指導者は
最近、演説でこのフレーズを繰り返す。
「シリアとイラク、イエメン、パレスチナで起きていることは
すべて連動し、切り離せないものだ」。
神学校長(引用者補注:レバノンのシーア派神学校)
のナボルシは中東で起きている対立の連鎖を強調し、
こう「予言」した。
「次に戦争が起きるなら、
それはレバノン対イスラエルではない。
「抵抗の枢軸」対イスラエル、米国になる。
極めて危険なものになるだろう。
(村山祐介)
(「ノーベル賞を受賞していたら、殺されていたかもしれない」。
「アラブの春」以後、ネットで脅迫されていたと語るリーナ)
他にも7年前の「アラブの春」の折り、
ノーベル平和賞候補として注目されたチュニスの女性ブロガー、
リーナ・ベンムヘンニ(35)のいまを取材した
高橋友佳理記者の記事が読み応えがあった。
「グローブ」は朝日本紙で追い切れない国際的な記事を
丁寧に、精力的に取り上げている。
注目だ。