朱野帰子『わたし、定時で帰ります—ハイパー』(新潮社、2019)

夜が更けてくると、哲学書思想書より
肩の凝らない小説がいいな、と思う。
朱野帰子『わたし、定時で帰ります—ハイパー』(新潮社、2019)を読む。


わたし、定時で帰ります。 :ハイバー

わたし、定時で帰ります。 :ハイバー


デジタル広告等を制作する会社に勤務する主人公・東山結衣は
どんなに忙しくても定時退社。
勤務時間中は手抜きでなく、きちんと仕事をする女性だ。
政府が旗振る「働き方改革」の時代に、
「あ、こういう人、いるいる」と思える人物が次々登場する。
キャラクターの設定・描写・台詞がしっかりしていて
エンターテインメント小説として楽しめる。


4月から吉高由里子主演TBS系火曜ドラマとして
放映されているのもむべなるかな。
プロデューサーたちが見逃さない作品なんですね。
定時で帰れるわたし、シニア社員も納得です。


第1作は図書館での順番待ちが長すぎるので、
古書店で入手しました!
楽しみな作家です。


わたし、定時で帰ります。 (新潮文庫)

わたし、定時で帰ります。 (新潮文庫)


初出 「yomyom」vol.53〜55
「わたし、定時で帰ります。2 ブラック企業討入り篇」
単行本化にあたり、改題の上、加筆修正
朱野帰子は2009年、『マタタビ潔子の猫魂』で
ダ・ヴィンチ文学賞対象受賞。


マタタビ潔子の猫魂(ねこだま) (ダ・ヴィンチブックス)

マタタビ潔子の猫魂(ねこだま) (ダ・ヴィンチブックス)