荻原博子『投資なんか、おやめなさい』(新潮新書、2017)

家計を切り盛りする際、荻原博子さんの著書は役立つ。
金融機関の側でなく、僕たち庶民の側に立っているからだ。
最新知識を背景にサバイバルの心構え、
対策のヒントを分かりやすく書いている。
荻原博子『投資なんか、おやめなさい』(新潮新書、2017)を読む。


投資なんか、おやめなさい (新潮新書)

投資なんか、おやめなさい (新潮新書)


「投資なんか自分はするつもりはないし、関係ないよ」
と思っていても、知らず知らず投資させられていることがあると
荻原さんは指摘する。
外貨建て生命保険、純金積立、投信積立、個人年金確定拠出年金
生命保険、積立、年金と聞けば、投資のにおいが薄まって気づきづらい。
そこが金融商品を売りつける人の目論見なんだね。


日銀のマイナス金利で追い詰められた金融機関は
個人の資金を狙っている。
預金は要らないのだ。
お金を預けられては、むしろ迷惑なのだ。
大企業はアベノミクスによって内部留保が豊富で、借り手などいないのだから。
要は手数料目当てなのだ。
なるほど。


だから金融機関からしょっちゅう投資を誘う電話がかかってくるのだ。
自宅にまで背広姿のみなさんが名刺、パンフレットを携えやってくるのだ。
たかが手数料と言えど、いったん投資に引き込み
長期に渡って顧客が支払う状態にしてしまえば
以降は先方にとって手間いらずの現金収入だ。
「手数料」と呼ぶのが皮肉だね。


僕は荻原さんの存在、仕事ぶりを朝日新聞で知った。
感想文を書いて送ったら、サイン入り著書1名さまプレゼントに当選。
元手がかからず入手できた割に収穫が大きかった。
その後、荻原さんの別の著作を書店や古本屋で購入して
「猫の目家計簿」の参考にしている。