NHK「実践ビジネス英語」を20年聴いている

2000年の夏からNHKラジオ講座「実践ビジネス英語」を聴いています。
当初は「やさしいビジネス英語」という講座名だったと記憶しています。
スキット（寸劇）の内容がとても面白く、もう20年のリスナーです。

スキットを書いているのは講師の杉田敏先生。
アメリカで新聞記者として働き、
その後、アメリカを本社とする大手PR会社の日本支社社長を務めました。
現在は昭和女子大学客員教授。
（杉田先生の講義に出席できる大学生たちが羨ましい！）

NHKラジオ実践ビジネス英語 2019年 08 月号 [雑誌]

8月の「実践ビジネス講座」に
現代アメリカを象徴するレッスンがありました。
Lesson 10 Safe School（学校を侵入者から守る）です。
「今回の内容」から引用します。

　　ポール・ピアソンにはシカゴに住むいとこがいるのですが、
　　そのいとこが最近、6歳の息子のために防弾リュックを買ったそうです。
　　地元のデパートが新学期セールの一環として、
　　そのリュックを宣伝していたとのことで、値段はおよそ150ドルでした。

　　アメリカの学校では、銃による暴力は非常に現実的な懸念材料です。
　　このところマスコミによく登場するのは、
　　新学年の準備として、コンピュータや教科書をそろえ、
　　授業計画を立てることのほかに、
　　防弾具で防護することと銃から身を守ることにも
　　力を入れている各学校に関する記事です。
　　（略）

（講師の杉田敏先生＝写真右＝と
　パートナーのヘザー・ハワードさん＝同左）
（写真: 「NHKゴガク」から引用）

杉田先生はこの講座の目標を
「英語で雑談（small talk）できること」としています。
当たり障りのない話題だけでは、small talkは持ちません。
こうした深刻な最新の話題も積極的に講座に取り入れます。
英語を学ぶだけでなく、英語で世界を学ぶのに役立つ英語講座です。

Generation Lockdown (March For Our Lives PSA)

（今年のカンヌ・ライオンズ・フェスティバル・オブ・クリエティビティ
　Grand Prix for Good部門受賞作品 "Generation Lockdown" McCann USA企画制作）

●追記（2019.9.29）

杉田先生のファンにとって見逃せない本が出ました。
杉田敏『NHKラジオ実践ビジネス英語　現代アメリカを読み解く』
（DHC、2019）です。

「はじめに」から引用します。

　　本書は、過去約20年間にNHKラジオ「実践ビジネス英語」月刊テキストの
　　Word Watchで取り上げた語句の解説と、ビニェット（引用者注：寸劇）などから
　　抽出した例文を中心に再構成し加筆したものです。
　　一般財団法人　経済広報センター発行の「月刊経済広報」に連載した記事からの
　　抜粋も含まれています。
　　（略）

　　本書は、グローバルなビジネスの現場で飛び交うキーワードを、
　　アルファベット順に並べて「読む小辞典」として編集しました。
　　大いに活用し、語彙と知識を増やし、ワンランク上の英語を理解し使いこなすための
　　一助になれば幸いです。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　杉田敏
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（pp.2-3）

「小辞典」と杉田先生は謙遜しますが、
過去20年のNHKラジオ講座を語句と例文で集大成した、450頁の本格的な一冊です。
DHCが2,000円（税別）で出してくれたのは本当に助かります。
学生、ビジネスパーソンが座右の書に加えやすい良心的価格だと思います。
僕もさっそく20年分の復習に取り掛かろう！