佐藤優講師・同志社神学講座全50回、修了

京橋の同志社大学東京オフィスで開講されてきた
佐藤優講師・神学講座が本日で修了。
2015年5月から4年8ヶ月続いた。
僕は全50回、一度も欠かさず出席した。


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全プログラムは以下の通り。


  「ナショナリズムと国家」(2015年度)
  「キリスト教ナショナリズム—民族の底流にあるもの」(2016年度)
  「神学的思考とは何か?」(2017年度)
  「宗教改革とは何か?」(2018年度)
  「現代に生きるキリスト教—神学を学ぶと世界がよくわかる」(2019年度)


最終回、佐藤さんの著書『神学の技法』、
最後の部分の音読が回ってきた。
柄谷行人さんと佐藤さんの対話
(『現代思想』2015年1月臨時増刊号掲載)のラストである。
ドイツの「赤い牧師」ブルームハルトが説いた「急ぎつつ、待つ」
という考えについて二人が意見を述べている。


神学の技法: キリスト教は役に立つ

神学の技法: キリスト教は役に立つ


その部分を引用する。


    柄谷 そうです。
       最近、思うのは、これこそが終末論的な考えだということです。
       すなわち、能動的におこなうとしても、
       究極的に受動的でなければならない。
       急ぎつつ、待つ、ということですね。


    佐藤 賛成します。
       私も、急ぎつつ、待っているのです。


  教会は、終末の時まで、人々が「急ぎつつ、待っている」場所なのです。
                              (p.146)


神学生、神学者でない社会人が
チューターに付いて勉強するプロテスタント神学としては
これで卒業ということだろう。
聖書など基本書リストも、その読み方も佐藤さんに教わった。
学ぶ意欲は同志社大学神学部学生たち(遠隔画像システムによる)、
本講座受講生のみなさんと共有できた。
世界を読み解き、日々「急ぎつつ、待ちながら」生きるための
貴重な道具、方法を得ることができた。
佐藤さん、同志社東京オフィスのみなさんに感謝したい。


城―カフカ・コレクション (白水uブックス)

城―カフカ・コレクション (白水uブックス)

(講座では池内紀さんの翻訳を使っている)


東京オフィスでは昨年10月から
佐藤さんと作家・中村うさぎさんのカフカ講座が開講されている。
未完の長編『城』を読み解く内容だ。
4月以降も続くと聞いているので
引き続き月一回、京橋に通おうと決めている。