副島隆彦『日本人が知らない真実の世界史—覆される定説』（日本文芸社、2019）

副島版・世界史が登場した。
『日本人が知らない真実の世界史—覆される定説』
（日本文芸社、2019）を読む。

日本人が知らない 真実の世界史

本書は「世界の先端知識人に注目される近年の4冊の大著」
に依拠したと副島さんは書いている。
自分のオリジナルな考えに自信があるから
依拠した資料を読者に公開しても少しも困らないのだろう。
連読の助けにもなる。

　　1. アーサー・ケストラー『第13支族』
　　　Arthur Koestler, The Thirteenth Tribe, 1976
　　　日本語版の書名は『ユダヤ人とは誰か』

　　2. ベネディクト・アンダーソン『幻想の共同体』
　　　Benedict Anderson, Imagined Communities, 1983
　　　日本語版の書名は『想像の共同体』

　　3. シュロモー・サンド『ユダヤ人の発明』
　　　Shlomo Sand, The Invention of the Jewish People, 2008
　　　日本語版の書名は『ユダヤ人の起源』

　　4. ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス』
　　　Yuval Noah Harari, Sapiens:A Brief History of Humankind, 2014
　　　日本語版の書名は『サピエンス全史』

日本語版書名とは別に
オリジナルタイトル副島訳を併記している。
本文でもその意図に触れている。
作者の真意を知る上でとても大事なことだ。

上記4点以外に文献（教科書）を2点、
国民的知識の共通土台として紹介している。

　　『高校世界史B』（山川出版社）
　　『世界の歴史』（中央公論社）
　　（全16巻＋別巻1。文庫版は全30巻。1960年から初刊。
　　各巻の改訂版は1998年から。文庫版は2009年から）

堀米庸三、石井進、阿部謹也、網野善彦（日本史）らの歴史学者に
敬意を払っていることが書き添えられている。

詳説世界史B　改訂版 [世B310] 　文部科学省検定済教科書　【81山川/世B310】

世界の歴史 全16巻セット (中公文庫)

世界の歴史〈26〉世界大戦と現代文化の開幕 (中公文庫)

副島さんの新著は図書館でいつも大人気で
必ず次の予約が入っている。
今回は大雑把に目を通しただけだが、
また借りてきて続きを読むことにする。