鶴見俊輔や高田渡が素顔を見せた店

クリッピングから
毎日新聞2021年7月26日朝刊
学者や歌手の素顔44点
甲斐さん写真展 銀座・31日まで


そこに集う客たちにとって
その場所がどれほどくつろげる空間だったか、
写真を見るこちらにスッと伝わってくる。


  学者やミュージシャンらの
  公の場ではなかなか見せない表情を収めた
  写真展「追憶の詩人たち」が
  中央区銀座2のギャラリー「SIACCA(シアカ)」で開かれている。
  撮影したのは、京都市中京区でバー「八文字屋」を営む
  写真家の甲斐扶佐義さん(72)。


  同市内の路上を歩き回りながら
  市井の人びとや街角を撮影した作品を制作している。
  今回の展示では、甲斐さんの店の常連だった
  哲学者で評論家の鶴見俊輔さん(1922〜2015年)が
  出版記念パーティでにぎやかにテーブルを囲む様子や、
  フォーク歌手の高田渡さん(1949〜2005年)が
  仲間たちとカウンターでくつろぐ様子などモノクロ写真計44点が並ぶ。


  そのアングルからは
  甲斐さんがバーや喫茶店ほんやら洞」(15年に火災で焼失)の
  カウンター越しに見つめた常連客たちへの気遣いが感じられる。
  (略)

                         【小出洋平】


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