すれすれにゆく燕らの影(後藤進)

クリッピングから
讀賣新聞2021年8月17日朝刊
読売歌壇(俵万智選)


今週も好きな歌3首、抜き書きします。


  読み切ってしまふに惜しき本ゆゑに
  どれコーヒーを落すとしやう

         青梅市 諸井末男


     【評】少しでも長くその本の世界にいたいという気分。
        一呼吸おく感じが「どれ」でよく伝わってくる。


  人間の手出しのできぬ濁流を
  すれすれにゆく燕らの影

        岐阜市 後藤進


自然の恐ろしさと
それでも生きている生き物の対比が印象に残りました。


  全体重かけて地球を踏みつけて
  年少さんの怒り直球

        霧島市 久野茂樹


全身で怒りを表現している
年少さんの姿が見えてきます。


(下線部クリックで同じ作者の別の歌が読めます)


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[追記] 2021.8.23


俵万智さんが第6歌集「未来のサイズ」で
迢空(ちょうくう)賞受賞。
おめでとうございます!


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朝日新聞2021年8月21日朝刊)


迢空賞選考委員は以下4名。

  佐佐木幸綱
  高野公彦
  永田和宏
  馬場あき子