1円玉の「着地」に「満点!」(松本和子)

クリッピングから
毎日新聞2021年11月27日朝刊
読者投稿欄「みんなの広場」


  拾った1円玉の力?

     無職 松本和子75(長崎県


  スーパーマーケットの入口に
  何やら白っぽい小さな丸いものが落ちており、
  「ん?」と思いつつ、横目で見ると1円玉でした。
  拾いはしたものの、1円玉とはいえ、立派なお金です。
  手の中にある1円玉は持ち心地が悪く、
  店に届けるかどうかしばらく迷いました。


  その結果、70歳過ぎの大人が届け出るまでもないかな、
  スーパーで買い物をして還元すればいいかなと自己判断しました。
  あれこれと買い物をすませて精算をすると、
  なんと不思議なことに数字が「○○○1」。
  レジスターの一の位の数字が1と表示されました。
  あまりの見事な1円玉の「着地」に、
  心で「満点!」と叫びました。


  買い物をしながら合計額を暗算したわけでもなく、
  いいことをしたわけでもないのに、
  1円玉の徳と力でしょうか、
  なぜかうれしく、歩く足取りも軽くなりました。
  晩秋の夕暮れの、ささやかな出来事でした。


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「ささやかな出来事」にも喜べる
松本さんの幸福力に感銘を受けました。
どんなことに自分が幸福を感じるか、
その辺りに秘密がありそうですね。