鹿島茂コレクション2 『稀書探訪』の旅@日比谷図書文化館

M歯科治療終了後、日比谷図書文化館へ。
特別展「鹿島茂コレクション2 『稀書探訪』の旅」を覗く。
会場でもらった小冊子「展示作品一覧」から引用する。


(この小冊子だけでも入場料300円以上の値打ちがありそう。Photo:©Nao KASHIMA, NOEMA Inc. )


  収集家と表現者。収集のオートマティズムから生まれた
  「『稀書探訪』の旅」(鹿島茂


  フランスの古書に憑かれてから、
  早いもので、もう40年もたってしまった。
  この間、自己破産寸前まで行ったこともある。
  

  なぜ、そこまでして古書収集を続けたのかといえば、
  収集という名のデーモンに心身を乗っ取られていたから
  と答えるほかはない。
  収集デーモンが私の意志とは関係なく働いて、
  私を使嗾(しそう)し、
  さまざまなジャンルのフランス古書を
  収集せしめたということである。


  今にして思うと、私は私Aと私Bに完全に分裂しており、
  収集デーモンに乗っ取られた私Aはそのすべての時間を使って
  コレクションを完成させようとつとめていたのに対し、
  デーモンに乗っ取られていない方の私Bはといえば、
  私Aがコレクションに費やす金を稼ぐために
  ありとあらゆる媒体に書いて書いて書きまくっていたと思える。


  この、基本的には相互不干渉のルールに基づいて
  思索し、行動する、分裂状態がじつに長いあいだ続いた。
  (略)




(撮影許可エリア展示作品から)


日比谷図書文化館1階特別展示室で
7月17日まで開催。
入場料大人300円。



ANA機内誌『翼の王国』連載「稀書探訪」144回分をまとめた一冊。本展カタログではない)