ど真ん中打ち返されて天仰ぐ(関根裕治)

クリッピングから
讀賣新聞2023年2月6日朝刊
読売歌壇(俵万智選)
今週の好きな歌3首、抜き書きします。


  ど真ん中打ち返されて天仰ぐ
  投手のような失恋だった

       上尾市 関根裕治


    【評】ゴロを狙うとか、ファウルにさせるとかではなく、
       真っ向から勝負した結果、打たれてしまった。
       悔しいけれど悔いはない失恋が、
       豪快な比喩で伝わってくる。


  誕生から職場でさえも「いずちゃん」と
  呼ばれし吾の旧姓は鈴木

            船橋市 鳥畑 泉


  パーカーのフードやリュックのポケットに
  秋のスパイのような団栗

            東京都 仲原 佳