経口補水液OS-1に助けられている


英語で I catch a cold. という表現がある。
「私は風邪を引いている(もしくは引いた)」の意味である。
でも、僕の身体感覚では A cold catches me.
「風邪が僕を捕まえた(もしくは捕まえている)」の方がより近いと思えた。


三日会社を休んで休養したからそろそろいいだろうと
普段通り起床して、普段通り通勤電車に乗った。
朝の列車混雑の影響でなかなかM駅に着かないなと思っていたら、
なんだか様子がおかしい。
周りの乗客がモノクロの二次元になっている。
M駅を過ぎてS駅に近づくあたりでたぶん一瞬意識が飛んでいた。


S駅でトイレに寄り、もう一度別の電車に乗った。
隣のH駅あたりで、
「いったん降りて休んだ方がいいよ」と身体が言っている気がする。
この声を聴いておかないとひどいことになりそうだったので
H駅のベンチで休んだ。
頭がチカチカする。


「ダメだ、いったん退却だ」と決め、反対側ホームで下り電車に乗った。
もう一度最寄り駅C駅まで帰ってきた。
素人判断は危険だなと感じて、Yクリニックに直行。
優しくて頼りになりそうな女の先生がいらっしゃるのだが、
僕より年配の方たちでいつもロビーが満杯。
でも、きょうは待つしかない。


診断の結果は「お腹の風邪」。
食べるものを食べていないので塩分不足。
水分摂取量不足。下痢を伴っているのでさらに水分不足。
高血圧の薬を2種類飲んでいるため、低血圧。
車内で脳貧血を起こしたことが分かった。
なるほど、思い当たる。
真夏に熱中症になった時、同じような経験を何度かした。


まずはお腹を整えるのが一番と整腸剤を処方してくれ、
経口補水液を取ることを勧められた。
今回は熱も出なかったし、最初は下痢もせず吐き気もなくて、
咳とくしゃみ・鼻水の症状だけだった。
二三日安静にしていれば自然に回復すると思っていた。
インフルエンザでないのは熱が出ないことで分かっていた。


ウィルスが全身に倦怠感を起こさせ積極的に動く気をなくし、
胃に侵略して食欲をなくし、徐々に腸に攻め入って下痢を誘発し、
身体から水分・塩分を奪っていく一連の様子が
医師の診断を聞きながら想像できた。
急激な不調でなかっただけに、
免疫戦線を少しずつ押し下げられたような気がする。
思考力も落ちているし、医師の診断を聞かないと、
自分の身体とは言え現状の全体像は見えにくい。


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(気持ちが弱っているせいもあるだろうが、
ゼリータイプが頼りになる)


そんな訳で今回大変役に立っているのが
経口補水液OS-1(オーエスワン)ゼリー、ペットボトル。
大塚製品工場/丸善食品工業の製品である。
どこのドラッグストアでも置いている。


先日、ケアハウスの母の部屋で見たのがゼリータイプ。
スタッフのお勧め製品だった。
こんなに早く自分もお世話になるとは思わなかった。
一緒に仕事をしている同僚Tさんからも
「すぐにOS-1ゼリーを取るとよい。私は常備している」
とメールが入った。

小室直樹『痛快!憲法学』(集英社インターナショナル、2001)

橋爪大三郎小室直樹の高弟であり、かつ優れた書評家である。
小室博士の著作を橋爪書評を元に
 (1)自分で購入するもの 
 (2)図書館で借りるもの
 (3)ひとまずパスするもの、
の3カテゴリーに分けてみる。
限られた書籍購入費の運用にあたって、
この指針が実に頼りになるのだ。


痛快!憲法学―Amazing study of constitutions & democracy

痛快!憲法学―Amazing study of constitutions & democracy


読了した『痛快!憲法学』(集英社インターナショナル、2001)について
橋爪は『小室直樹の世界』(ミネルヴァ書房、2013)にこう書いていた。


   斬新なイラストとデザインで、
   ベストセラーになった『痛快!憲法学』(2001)。
   編集を担当した島地勝彦氏(集英社インターナショナル)との
   合作と言ってもいい本である。よい本である。


   この書物のどこがよいかと言うと、
   憲法のことを何もわからないシマジ君なる人物が聞き手になり、
   小室博士の教えを受けるという、
   レクチャーの臨場感にあふれているところ。
   かけあい漫才のようで、
   読者よりできの悪そうなシマジ君を横目にみて、
   多少安心しながら、小室博士の講義を聴講することができる。
   そういう、巻き込まれ感が痛快なのだ。
   (略)


そして本書の特徴を簡潔かつ精確に紹介していく。


   つぎに、この書名にごまかされてはいけない。
   憲法を扱っているようだが、中身は社会科学原論。
   もちろん、憲法とはなにか、
   憲法がいかに生まれたかが書いてあるわけだが、
   西欧近代主義の前提条件が縦横に参照される。


   その先駆形態として、キリスト教があり、教会があり、
   法学があり、哲学があり、中世封建制があり、絶対王制があり、
   さまざまな思想的格闘があり、
   それらが有機的に組み合わさるなかから、
   憲法と近代社会のアイデアが析出していった。
   その全過程が、手に汗握るような迫力で描かれている。
   これこそ最良の、社会学入門書と言えるだろうと思う。
   (略)


「完璧を求める人」橋爪の筆はここで止まらない。
ダメ押しがある。


   なお本書には、
   『日本人のための憲法原論』(2006)という再刊本がある。
   これは『痛快!憲法学』を改題し、図版を省いて
   本文のテキストを横書きから縦書きにしたもの。
   もしもどちらでも買えるのであれば、『痛快!憲法学』が断然よい。


日本人のための憲法原論

日本人のための憲法原論


ここまで書かれて僕は完璧に説得されてしまいました。
古書店サイトで『痛快!憲法学』を購入し、通読。
橋爪先生のおっしゃる通り、
最良の社会学入門書であることを実感しました。
こづかいで買える値段の時に一冊買えて、本当によかったよ。


本書については、小室博士マニアの村上篤直が
『評伝・小室直樹(下)』(ミネルヴァ書房、2018)に
思い入れがたっぷりに書いているけれど、
長くなるので、その引用はまた別の機会に。



橋爪書評を読まなければ、
斬新なイラストの表紙ゆえに購入をためらっていたかもしれないな。
橋爪大三郎には書評・解説だけを集めた一冊があって、
マニアックなセレクション、密度の濃い内容、
軽快な文章で楽しめる。


書評のおしごと―Book Reviews 1983‐2003

書評のおしごと―Book Reviews 1983‐2003

(図書館で借りました! 橋爪先生、買わないでごめんね)

小室直樹『危機の構造ー日本社会崩壊のモデル』(ダイヤモンド社、1976)

日本の狭量なアカデミアが小室直樹の才能を受け入れなかったのは
学者小室にとっては不運なことだったかもしれない。
けれども小室ゼミ門下生、一般書読者にとっては
小室学の成果を分けてもらえたことが何とも幸運だったと思いたい。
小室直樹『危機の構造—日本社会崩壊のモデル』
ダイヤモンド社、1976)を読む。


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『評伝・小室直樹(上・下)』を執筆した村上篤直が
ダイヤモンド社坪井論説委員のインタビューに答えていたとおり、
一般読者向けデビュー作のこの著書に小室学のエッセンスが詰まっていた。
(まだ小室全著作を渉猟した訳ではないが)
76年と言えば、日本の高度経済成長がまだまだ続いていた時代だ。
そのとき、繁栄の中に危機が内在し、
戦後の日本人意識が戦前に直結していることを例示し主張したのが本書だ。


僕はこの本が読みたくて公立図書館蔵書をずいぶん探したが、
S区に中公文庫版が一冊あるのみだった。
その一冊も借りている人が期日に返さず、待機の状態が続いていた。
やむを得ない、と送料込みで5,000円少々払って、
ようやく古書店で入手した。


その後、古書マーケットで
僕が買った半値以下で2冊出品されたが
24時間経たないうちにどちらも売れていた。
今も読みたがっている読者がいるのか、
こすっからい人が利益を乗せて転売しようと企んでいるのか(ありうる)。



中公文庫編集部のみなさん、
いまこそ橋爪大三郎解説付きの文庫を
復刊するタイミングではありませんか?
文庫で14,400円って古書マーケットの現状はあんまりですぜ。
(ビジネスチャンスがありますぜ)


本日、風邪のため休業です

風邪の症状がだいぶ出てきたので
会社に連絡して本日休業。
無理して出掛けても、
あたりにウィルスをまき散らすだけで
同僚に迷惑をかける。


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熱はないのに身体がだるくて
何もやる気がおきない。
食欲もない。
読書も進まない。
幸い今週は予定が詰まっていないので
無理はしないことにした。


風邪を引くのも久しぶりだな。
周囲に咳き込んでいる人がいたりしたので
気をつけてはいたんだけどね。

三連休最後で風邪に捕まった

三連休最終日で風邪に捕まった。
そう言えばこの一週間ほど食欲が落ちていたり、
喉に変調があった。
日頃気をつけているつもりでも
いったん身体のバランスを崩すと回復には時間がかかる。


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(飼い主の具合が悪くなると、大王が優しくなる)


熱はないのでインフルエンザではなさそうだ。
咳、鼻水が主な症状だが身体がだるくて、
普段やっていることもやる気が起きなくなる。
ウィルスにだいぶ攻め込まれているようだが、
身体は懸命に闘っているのだろう。
せめてその邪魔をしないように休養を取るしかないね。

旬の野菜・果物を木村青果で仕入れる

金曜日のインプットホリデーと合わせて
この週末は三連休。
金曜掃除、土曜洗濯(コインランドリー)を済ませる。
そうすれば日曜が一日好きに使える。


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木村青果で仕入れた菜の花、スナップエンドウを湯がき、
値段が安定してきたエンドウ豆を使って豆ごはんを炊く。
きょうは同居人は月一度のTokyo Copywriters' Street収録で
会社に出掛けた。
スタッフに鶏鍋を振る舞い、自分は必ず食いっぱくれるので
大王弁当が夜食を用意しておく。


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豆ごはん。鯛竹輪。バターたっぷり炒り卵。
スナップエンドウおかか和え。ロースハム。
ちりめん山椒。自家製蕗味噌。とちおとめ。


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木村で粒不揃いのとちおとめが
1パック298円(税別)で出ていた。
大粒のものを選んで3パック購入。
ふたりで数回たっぷり食べられて、
1,000円でお釣りがくる季節のお買い得品。

夫の「太陽光蓄電池」でありたい(奥寺幸子)

スクラップブックから
朝日新聞2019年2月20日朝刊
読者投稿欄「ひととき」 夫の「蓄電池」に
札幌市 奥寺幸子 主婦 75歳


   1年ほど前から、
   「5歳の男の子」が、我が家の子どもになっている。
   おい夫婦から贈られたこの子は、
   おしゃべりするおもちゃの人形。
   (略)


   北海道バージョンに設定しているため、
   独特の方言や言い回しも笑いを誘う。
   エネルギー源である電池が必須で、
   1カ月に1回ほど、「デンチ換えてね」と催促があり、
   交換するまでは何も言ってくれない。


   81歳の夫も、それなりにこの子をかまっている。
   最近、「デンチ換えてね」にこたえていた。
   「俺なんかな、もうずーっと前から電池切れなんだぞぉ。
   おまえさんわかるか」と。
   (略)


   夫の「電池」は入れかえてあげようもないが、
   せめて天気予報にある小さめのお日様マーク程度は、
   明るく元気に、夫の老いを補う
  「太陽光蓄電池」的な存在でありたい。


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奥寺さんご夫妻と「5歳の男の子」の三人暮らしの絵が
彷彿と浮かんできます。
「男の子」にはきっとお二人で
名前を付けて可愛がっているんでしょうね。