小西甚一『発生から現代まで 俳句の世界』
(1952刊/1994復刊)を読む。表4解説にこう書いてある。
「俳句鑑賞に新機軸を拓き、
俳句史はこの一冊で十分と絶賛された不朽の書。」
- 作者: 小西甚一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1994/12/27
- メディア: 文庫
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看板に偽りなしであった。
そもそも小西先生の『古文研究法』に高校生のときに出会った。
つい先日、『古文の読解』が復刊したのを坪内祐三のコラムで知り、
その機会に先生の著作を何冊か買い求めた。
『俳句の世界』はそのうちの一冊である。
- 作者: 小西甚一
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2010/02/09
- メディア: 文庫
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(今年2月に待望の復刊。早くも3刷。売れている)
連歌、俳諧、俳句の違い。
雅と俗のキーワードで大胆に日本文藝史を読み解く小西理論。
連歌師から現代の俳人までの歴史を
文庫400頁に書ききった視野の広さ、知的体力。
面白い面白いと読み進めてしまった。
- 作者: 小西甚一
- 出版社/メーカー: 洛陽社
- 発売日: 1965/12/01
- メディア: 単行本
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凡庸な俳句の本とは異なり、
著者が天才と認める芭蕉、蕪村、誓子らの句についても
傑作だけでなく低迷期の作品まで批評し尽くす鋭さがある。
著者自身も実作に励み、
そうでなければ俳句の心は分からないと
理論と行動でこの芸術の奥義に肉薄していく。
もともとは昭和22年の大学での講義ノートに基づく著書。
名講義を半世紀以上過ぎて味わえるのが至福である。
(文中一部敬称略)