湯豆腐鍋二種、燗酒三種


立春も過ぎ、寒さもゆるんだ一日。
二種の湯豆腐鍋をやろうと相成った。
最初は昆布を敷いた、ごくシンプルな湯豆腐。
薬味はおかか、あさつき、しょうがと三種類用意する。



もう一種は半助鍋の高級版(写真上)。
普及版はうなぎの頭と豆腐だが、
今夜は頭だけでなく身を入れる。他には焼きネギのみ。
近所のN酒店まで行って燗酒用の日本酒を仕入れる。
Nの親父はなかなかの目利きで
自分の選んだ酒蔵と交渉し、個人店とは思えぬ酒を揃える。
獺祭(だっさい)・温め酒の今年入荷分が
僕が買った一本で早くも完売したので親父推薦の別の銘柄を尋ねる。



  (左から獺祭・温め酒、庭のうぐいす、南部美人



  (「南部美人」のほぼ真っ白のラベルには
    右下に小さく「燗!」と記してある)


選んだのが、福岡の「庭のうぐいす」秋田の「南部美人」。
うぐいすはほんのり甘く、優しい味わい。
南部美人はキリッとした後口のいい酒である。
残った獺祭・温め酒と合わせて三種を燗で飲み比べ、
二種の豆腐鍋を愉しむ。
寒の戻りもあるだろうが、
だいぶ遠くの方に小さく春の足音が聞こえ始めた。



  (地元の珈琲豆専門店「モカジャバ」では
   ご主人お気に入りの上越の洋菓子店レドゥーに依頼し
   三種の焼き菓子を店頭用に売り出した。
   左からマカロン、トリス、フィナンシェ。
   僕が購入第一号の客になった)