映画『舟を編む』(監督:石井裕也/原作:三浦しをん、2013)


2012年第9回本屋大賞を受賞した
三浦しをんの原作もよかったけれど、
映画はもっとよかった。
原作の出来を映画がしのぐのは珍しい。
映画『舟を編む』(監督:石井裕也)を観る。


舟を編む 通常版 [DVD]

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主役馬締光也を演じる松田龍平が素晴らしい。
僕はこの人が誰だったか思い出せずに作品を観て、
後から調べて、ああ彼が松田龍平だったのか、と知った。
辞書作りは狂気と勤勉が
危ういほどのバランスを取らなくては成り立たない仕事だ。
そのことが映画全体から伝わってきた。


明解物語

明解物語


大学院生だったときに辞書編纂を依頼され、
とうとうひとりで書き上げた伝説の男、
見坊豪紀(けんぼう ひでとし)。
見坊の物語を読んでいたから
言葉に取り憑かれた男を演ずる松田が余計光って見えた。
神保町界隈と思われるロケーションも見応えがあり、
出版界を始めとする支援がこの作品の細部を支えたことも嬉しかった。


舟を編む (光文社文庫)

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明解国語辞典

明解国語辞典


wikipedia: 見坊豪紀


(文中敬称略)