1万人の投稿者に支えられて、1万日英訳を達成したい(久代京)

クリッピングから
朝日デジタル2021年4月18日
「連載 ひととき たどって」
暗闇に指で書いた英語 89歳、
衰え知らずの学ぶ意欲


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(朝日デジタル動画より引用)


  まだ暗い朝の台所で、
  届いたばかりの新聞の英訳を続ける89歳の女性が、
  岐阜県各務原市にいる。
  毎朝のルーチンは今春、25年目に突入。
  学ぶ意欲の原点は、幼い頃に父から聞いた
  「見知らぬ言葉」への好奇心だ。


  久代京(くしろきょう)さん(89)が
  台所のテーブルに電気スタンドをセットすると、
  そこは「書斎」に早変わりする。
  テーブルからコンロと洗濯機まで半径1メートルほどの動線は、
  「勉強の時間を少しでも長く取れるように」
  と考えたこだわりの設計だ。


  夫、娘と3人暮らし。
  毎朝、朝食・弁当の用意や洗濯をこなし、
  落ち着いたら新聞を広げる。
  鍋や洗濯機の様子を気にかけつつ、さあ英訳だ。


  対象は朝日新聞生活面の投稿欄「ひととき」。
  日々のくらしの中で感じたことを、500字でつづるスタイルで、
  全国から投稿が寄せられる。
  「訳し出すと楽しくて没頭してしまう。
  好きなドラマを連続で見ているような感じでしょうか」


  1997年4月からこのルーチンをほぼ休みなく続け、
  今春、8200編を超えた。
  今年1月、久代さんが「1万日を達成したい」とつづった投稿が
  同欄に掲載されると、全国から驚嘆とエールが相次いだ。
  (略)

                        (原千恵子)


2021年1月8日「ひととき」掲載「英訳1万日を目指して」で
久代さんはこう書いている。


  12月20日、今朝からまた、新しいノートに入る。
  288冊目。B5判。
  第1冊目を使い始めたのは1997年4月16日。
  「ひととき」の英訳で基礎的英語力の低下を食い止めたいと思った。
  今朝は8135日目を英訳した。


  朝4時か5時に起き、朝食と家族の弁当を用意した後、新聞を読む。
  次に「ひととき」を切り抜き、英訳にかかる。
  時には同時に洗濯をする。
  (略)


  この英訳を、1万日目まで続けたい。
  それにはあと6年近く生き、訳し続けなければ。
  時間だけでなく、意欲も必要だ。


  1冊目の頃と今を比べると、
  表現力がなまってきている。
  しかし、「私が生きることの大きな一部なのだから続けるのだ」
  と、自分に言い聞かせる。
  (略)


  1万人の投稿者に支えられて、1万日英訳を達成したい。


読者の反響を受け、久代さんのインタビューが実現した。
在野には、素晴らしい方がいらっしゃる。



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