本当はどのパンが食べたかったんだっけ(村田一広)

クリッピングから
讀賣新聞2021年10月12日朝刊
読売歌壇(俵万智選)


今週も好きな歌3首、書き留めます。


  半額を見つけて買った本当は
  どのパンが食べたかったんだっけ

        甲府市 村田一広


    【評】つい値段につられてしまったパン。
       買い物あるあるだが、
       「本当はどの」という問いかけが心に響く。


僕も「本当はどの」を忘れて、
半額のパンを買っちゃいそうです。


  緑色全部譲って残された
  葉脈のようトンボの羽は

      東京都 室伏圭子


昆虫図鑑を眺めているような
涼やかな気持ちになりました。


  元々は海 洗濯機で水たちは
  波打ち際の記憶を鳴らす

      東京都 長井めも


コインランドリーで毎週洗濯しているのに
水たちの故郷にまで頭が回らなかった!


(下線部クリックで同じ作者の別の歌が読めます)


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