餃子の皮でひとり包みぬ(芍薬)

クリッピングから
讀賣新聞2021年3月29日朝刊
読売歌壇(俵万智選)


今週も好きな歌3首、抜き書きします。


  移動なきこの春節のしずけさを
  餃子の皮でひとり包みぬ

        千葉市 芍薬


  【評】コロナ禍の一場面。
     しずけさ「を」としたことで、景が大きくなった。
     包まれてゆくのは、静かな時間そのものだ。


万智さんの評で、一文字の大切さを知りました。
しずけさ「に」としずけさ「を」では
確かに見える景色が変わります。


  花言葉知らない花を摘むように
  知らないままでいたかった君

         大和郡山市 大津瑞貴


知ってしまったことで
哀しみが生まれることがあります。
知らなかったときにもう戻ることはできない。


  我が体は「疲弊」の「弊」の字の如し
  終電一本前の各停

           東京都 近藤ゆみ


クタクタになるまで働いて、
なお感染を怖れながら満員電車で帰宅する日々。
コロナ禍でもリモートワークができない方たちが
大勢いらっしゃいます。


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(苺2パック500円。K青果ではたぶん今年の底値です)