葉桜みたいに瑞々しくいる(吉村花緒)

クリッピングから
讀賣新聞2021年4月5日朝刊
読売歌壇(俵万智選)


今週も好きな歌3首、抜き書きします。


  入学もコロナで遅れた私たち
  葉桜みたいに瑞々しくいる

        越谷市 吉村花緒


僕も葉桜、好きなんです。
満開のときのように人の口の端に上ることは少ないけれど、
樹木の生命力を感じるのです。


  弁当を開けば肉が黒豆の
  ドロップキックを食らっておりぬ

           川崎市 岡奎那


どうしたらこういう歌が詠めるようになるのかな。
柔軟な心と観察力、ですかね〜?
憧れるな。


  してよ、また大水青が飲みものと
  思ってたって話のつづき

          大阪市 toron*


     【評】いつもの話をねだるところに、
        二人の親密さが窺(うかが)える。
        大水青は蛾(が)の一種。
        いきなりの初句が、甘えた感じをうまく出している。


「してよ、また」にドキッとしました。
toron*さんの言葉づかいは独特で
歌を読むたび、いつも新鮮な気持ちになります。


(名前をクリックすると、デジタルノートに抜き書きした
 その方の過去の掲載作品が読めます)


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