文末にピリオド書くこと教わって(古田つむぎ)

クリッピングから
讀賣新聞2022年3月28日朝刊
読売歌壇(俵万智選)


今週好きだった歌3首、抜き書きします。


  文末にピリオド書くこと教わって
  四月のノートにそれぞれの種

      ふじみ野市 古田つむぎ


    【評】初めての英語の授業。
       そういえば、日本語の句点とは異なるピリオドが新鮮だった。
       種の比喩は、単に形状だけでなく、
       その種から芽が出る未来を想像させてくれる。


中学一年、最初の英語の授業を
僕も思い浮かべました。
M先生が担当でした。


  ボンゴレに殻閉ざしたる浅蜊おり
  白ワインでは口を割らざり

        東京都 富見井高志


    【評】ボンゴレ浅蜊(あさり)などを使ったパスタ料理。
       口を開けない貝を、
       酔わせても自白しない様子に重ねた比喩が秀逸だ。


  気象図の等圧線をひとつまみ
  束ねて梳けばはなびらが散る

         大和郡山市 四方護


この歌を味わいながら、
頭の中ではアニメーションが動いていました。
春らしい、奇麗な景色。


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