Franz Dornseiff ,,Der Deutsche Wortschatz Nach Sachgruppen'' (初版 1933/5版 1959)

クリッピングから
NHKテキスト<ラジオ>「まいにちドイツ語」2022年11月号
「講師の独り言」(中山純先生)



  Sachgruppe(事項群)という、
  なじみのない言語学の用語があります。
  これは語彙を分類するために、
  森羅万象を、いくつかのグループ(群)に分けたものを指します。



  その昔、Franz Dornseiff という学者が編纂した
   ,,Der Deutsche Wortschatz Nach Sachgruppen''
  という辞典があります。
  例えば Pflanze, Tier, Mensch(Körperliches) という分類があって、
  その下に下位分類項目があり、
  最後は分類された単語が意味の説明なしで並んでいます。
  この辞典のすごいところは、
  各項目に相当な数の動詞が入っているところです。



  例えば、きょうのSchlagwort(連想語、引用者注)である
  Überschwemmung(洪水、引用者注) を手掛かりにして
  単語を集めてみると、名詞の占める割合が高くなるはずです。
  あるテーマに沿って知らない、新しい単語を探すときは、
  「意味」を探していることと同じなので、
  どうしても名詞が集まってくるのです。



  名詞は大切ですが、運用力の要になるのは動詞です。
  ある分野の用語をたくさん知っていても、
  それを運用する動詞が不足していると、
  せっかくの資産も死蔵されたままになります。


  「語彙は文脈の中で覚える」ということの意味は、
  名詞の情報を支える動詞も一緒に覚えるということです。
  単語帳や語彙リストを作るときにも
  動詞を忘れないようにしましょう。 
                       (p.89)




先生、件の辞典、入手しましたぜ。
第5版(1959)です。
押印されたスタンプを見ると
シュトゥットガルトのSüddeutscher Rundfunk(SDR 南ドイツ放送)蔵書ですね。
本体5.14ドル、送料12.49ドル、
計17.63ドル(2,511円)の買い物でした(AbeBooks.com)。


本文で英語のRoget's類語辞典に言及していましたから、
同じ発想でのドイツ語版と考えればいいんですかね。
日本語だと角川の類語辞典
似たような着想で語彙を分類していました。