冷蔵庫が壊れた。
国産T社製、1994年製造。
普通は12、3年が寿命らしい。
29年使えたのは相当珍しいことなのだそうだ。
この冷蔵庫を購入した町内の中型電機店は
とっくに畳んでいる。
メーカーT社は家電事業(映像製品を除く)を
2016年に中国の企業集団に537億円で売却した。
松岡正剛さんが総合監修した『情報の歴史21』
(編集工学研究所、2021)を開いてみる。
1994年はこんなことがあった年だ。
ランダムに並べてみる。
インターネット日本本格上陸 IIJ、国際接続開始。
羽生善治、六冠制覇。
アイルトン・セナ、イタリアグランプリで激突死。
ナリタブライアン、三冠馬。
松本サリン事件発生。
大江健三郎、94年度ノーベル文学賞受賞。
自社さ連立政権村山内閣誕生。
週末、天寿を全うした冷蔵庫の代わりに
週明け、新しい製品が届いた。
いまでは中国の企業集団が所有する、同じT社の冷蔵庫だ。
ブランドは40年使える契約になっている。
従業員もそのまま雇用し続けているのが幸いだ。
(同居人ブログ「もるとゆらじお」より借用)
同居人は
「冷蔵庫にすき間があるって
ホワイトスペースのある新聞広告みたいで
なんて清々しいんだろう」
と呟いた。