クリッピングから
讀賣新聞2024年2月26日朝刊
読売歌壇(俵万智選)
今週の好きな歌3首、抜き書きします。
空っぽのわたしがさみしそうだから
造花みたいな予定で埋める
越谷市 あきやま
【評】空っぽ→花瓶→造花という連想だが、
花瓶と言わないところが工夫だ。
嘘(うそ)っぽくて賑(にぎ)やかな空(むな)しさが、
造花の比喩にこもる。
コンテンポラリー・ダンスを踊るレジ袋
寒い夜こそジャズが聴きたい
羽曳野市 鎌田如水
するすると黙って膝に乗つてくる
幼子のやう春といふもの
青梅市 諸井末男