常磐新平『銀座旅日記』(2011)を読む。
文庫オリジナル。飄々とした文章がいい。
いまはなくなってしまった新橋Tony's Barのカウンターで
ひとりグラスを傾ける常磐を見かけたことがある。
- 作者: 常盤新平
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2011/03/09
- メディア: 文庫
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本書の文体は常磐が敬愛する山口瞳や、
文中に何度か出てくる池波正太郎の日記をほうふつとさせるが
本人は百も承知で書いているのだろう。
読書と散歩と飲食が好きな老人の繰り言は
どこか憎めぬ味わいがある。
人がどう老いて、どう死んでいけばいいのか。
僕にはとうてい答えなど分からぬが、
つい参考にしてみたくなる一冊だ。
2003年2月から2006年8月まで
『ダカーポ』(マガジンハウス)連載。
(文中敬称略)