常磐新平『銀座旅日記』(2011)


常磐新平『銀座旅日記』(2011)を読む。
文庫オリジナル。飄々とした文章がいい。
いまはなくなってしまった新橋Tony's Barのカウンターで
ひとりグラスを傾ける常磐を見かけたことがある。


銀座旅日記 (ちくま文庫)

銀座旅日記 (ちくま文庫)


本書の文体は常磐が敬愛する山口瞳や、
文中に何度か出てくる池波正太郎の日記をほうふつとさせるが
本人は百も承知で書いているのだろう。
読書と散歩と飲食が好きな老人の繰り言は
どこか憎めぬ味わいがある。



人がどう老いて、どう死んでいけばいいのか。
僕にはとうてい答えなど分からぬが、
つい参考にしてみたくなる一冊だ。


2003年2月から2006年8月まで
ダカーポ』(マガジンハウス)連載。


(文中敬称略)