森まゆみ『東京ひがし案内』(2010)


森まゆみ『東京ひがし案内』(2010)を読む。
著者は地域雑誌『谷中・根津・千駄木』を1984年創刊。
2009年の終刊まで編集人を務める。
谷根千(やねせん)と人が呼ぶようになった地域を
森は慈しむ。


東京ひがし案内 (ちくま文庫)

東京ひがし案内 (ちくま文庫)


水道橋、お茶の水、小川町から始まって、
三ノ輪、あらかわ遊園、町屋まで。
人が歩く速度で東京の東側を楽しむための副読本である。
必要な情報をすばやく取り出すガイドブックとは違って、
森は町を語りながら歴史、文学に寄り道していく。



目的地までやみくもに急ぐのでなく、
寄り道を楽しむ心のゆとりをときに持つこと。
それは頭で考える以上に日々にうるおいを与えてくれる
と森はつぶやくように教えてくれる。