「細雪」で脇役になる


細雪」である。谷崎である。
たまには初めての店を覗こうと
おとついは、渋谷「細雪」に行ってみる。
美しい四姉妹には会えなかったが、
なかなか味わい深いおかみがいた。
呑兵衛の先達たちが通う店である。



愛想のいいおっちゃんが注文を取ってくれて
ご主人かと思っていたら毎晩現れる常連だった。
ビールの後はまわりの客がほとんど注文している
ホッピーに切り替える。
うまいね。金宮だ。
肉豆腐、しめ鯖を頼む。
豆腐は丸ごと一丁使っている。


酒にまじわれば (文春文庫)

酒にまじわれば (文春文庫)


なぎら健壱が言う
「すがれた、年月を感じる店」「佇まいのいい店」である。
店のご夫婦も常連客も
かつての名作邦画の脇役たちのようだ。
あ、僕もそのひとりなんだね。
僕たちが21世紀の日本に暮らしていることを
つい忘れそうになる。


細雪 (中公文庫)

細雪 (中公文庫)