「肥州鍋島」を味わう


前日宮崎屋球三郎商店で入手した「肥州鍋島」。
佐賀・富久千代酒造の酒である。
醸造アルコールも使った普通酒である。一升1,948円。



戦後から長い間、
醸造アルコールを使った酒は「アル添」と呼ばれ評判が悪かった。
要は原料不足時代の水増しが続いていたのだ。
水増しだって酒が呑めるだけましだという時代があったことは
呑兵衛として想像に難くない。
しかしその状況にあぐらをかいて、日本酒は多くの顧客を失った。



(写真上: 富久千代酒造公式サイトより引用)


いまどきのしっかりした酒蔵の杜氏が造っている酒は
醸造アルコールを使っているから品質が悪いとは決めつけられない。
燗酒にするにはむしろ吟醸酒より向いている。



(写真上:「鍋島」杜氏・飯盛直喜。富久千代酒造サイトより引用)


なんでもかんでも純米大吟醸を有り難がるのは無知の仕業だ。
ブランド志向につけ込まれムダなお金を遣って
なおかつ酒の旨さを味わっていない、と僕は思うのだ。
なにごとも一次体験、しかるのち分析および体系化と進みたい。
ところで、初体験の「鍋島」。
一升2,000円を切る価格で味わいが結構奥深い。旨い酒だ。