夕刻から副会長を誘って軟水銭湯M湯に出かける。
日がずいぶん延びて浴室の天窓から差し込む光が柔らかい。
一汗流した後、小宴を開く。
僕は休暇中だが副会長、同居人は翌日仕事があるので、
「早あがり」を心す。
仕上げに同居人のシングルモルトコレクションから
2種のウイスキーを楽しむ。
一時期、同居人がシングルモルトにはまった時期があった。
その後しばらくしてこの世界もすっかり投機の対象になり、
いまでは僕らの小遣い程度ではどうにもならない。
同居人が時折コレクションを提供してくれ
ちびりちびりと愉しんでいるのだ。
今宵はTokyo International BarShow Live 2013に
出品された羽生蒸留所モルト。
この蒸留所は2004年に閉鎖された。
それまで東亜酒造が貯蔵していた酒樽を
肥土(あくと)伊知郎氏が引き取り、
「イチローズ・モルト」として販売している。
肥土氏は東亜酒造創業者の孫である。
1990年蒸留、23年モルト。
二種類目は1981年に蒸留されたRosebankの23年モルト。
この蒸留所も既に存在しない。1993年閉鎖。
ウイスキーがただ人を酔わせるだけの強い酒ではないことが、
シングルモルトをゆっくり味わうと身体で理解できる。
時間が液体に変化した様を五感で愉しめるなら
なんと洒落たことだろうか。