岩瀬大輔『金融資本主義を超えて』(2006/2009文庫版)


岩瀬大輔『金融資本主義を超えて
ー僕のハーバードMBA留学記』を読む。
タイトルだけだったらきっと手にはしなかった本だ。


金融資本主義を超えて―僕のハーバードMBA留学記 (文春文庫)

金融資本主義を超えて―僕のハーバードMBA留学記 (文春文庫)


僕は6月から石倉洋子先生主宰の
「グローバル・アジェンダー・セミナー2013」に参加している。
第4回ゲストスピーカー谷家衛の課題図書に
岩瀬の別の著書があった。
谷家にまず興味を持ち、
谷家が惚れ込み仕事をした人として岩瀬に興味を持った。
芋づる式である。



いい人に惚れ込むのはいい人である確率が高い。
僕は谷家に出会ったことで
ファンドマネジャーにも志が高い人がいることを知った。
岩瀬の本を読むことで
ハーバードにもいい奴がいるじゃないかと見直したのだ。
(あ、石倉先生も確かハーバード博士号でした……)



なにかいいかって僕の座右の銘である
「世のため、僕のため」を地でいっている感じなのだ。
岩瀬は谷家の会社を始めとするファンディングで
出口とライフネット生命を立ち上げた。
金の要る子育て世代に本当に必要な保険だけを
納得のいく価格でインターネットで販売するサービスを始めた。



オブラートに包まれた既得権益に触れたがる人は少ない。
それが巨大な権益であるならなおさらだ。
岩瀬はそこにまっすぐに斬り込んでいく青さと、
なおかつ討ち死にしないだけの戦略、人脈の老獪を
ハーバード留学時代から自分に装備し続けた男なのだ。



(文中敬称略)