第一学習社『世界史A』(2015)


高等学校レベル知識の欠損を補うのは
教養を身に付け維持するための基本になる。
佐藤優が主張し、ビートたけしもそうした研鑽を続けていた。
第一学習社「世界史A」を読む。



池上彰と佐藤の二冊目の共著『大世界史』で
二人が口を揃えて「世界史A」の学習を薦める。
複数教科書を比較検討した池上がベストに推したのが本書だ。




教科書を購入するのは案外不便で
都内で限られた書店だけが扱う。
JR大久保駅徒歩3分の「第一教科書」に出かける。
ずっと以前に教科書を購入しに来て以来、二度目だ。
あいにく欠本だったため窓口で注文し後日再訪した。



「世界史A」教科書がいいのは、
大学入試に使用するのが「世界史B」だからだ。
どちらも文科省検定済みだが、
比較すれば制約が少なく、著作者の考えを反映しやすい。
第一学習社は広島の出版社である。
広島大学名誉教授・曽田三郎を筆頭に
12人の著作者のうち1/3の4人が
地元広島大学広島経済大学で教鞭を執っている。



   (電通本社ビルロビー「なんだこれ だれだこれ」展より
    宇崎弘美『Historic Cube』)


図解入りでとても読みやすく、
過去と現在、世界と日本のつながりに重点を置いた編集方針がよい。
時間、空間をつなげ、未来を予測する力を養うのに
高校生でなく大人にも助けとなるだろう。
再生紙使用A4版フルカラー232頁、675円。
教科書には税金がかからないから経済的にも助かる。


電車賃を使って出かけたついでに
情報科学、政治経済の2冊も仕入れてきた。
本棚には各社全教科の中学高校教科書が揃っていて
選びごたえがある。


(文中敬称略)