リサさんのメモに包まれた1円玉


スクラップブックから。
朝日新聞2017年8月28日朝刊。
読者投稿欄「ひととき」
宮崎県大崎市・鎌田啓子さん(72)「宝物の1円玉」



   いつも行っているスーパーでのこと。
   会計の時、夫が小銭入れから
   パラパラとお金を落としてしまい、
   慌てて拾って会計を済ませて帰ってきました。


   それから数日経ったある日。
   元気のいいレジ係の女性が寄ってきて、
   「先日落としたお金です。
   レジの下に落ちていました!」
   と、紙に包んだ1円玉を差し出しました。
   (中略)


   広告の裏紙で作ったその小さな袋には、
   こうメモしてありました。
   「5月24日(水)いつも来るお客様の1円です!
   次に来た時に渡すので
   おいてて(保管)下さい(落としていった)!(リサ)」
   (中略)


   1円玉は袋に入ったままで封を切っていません。
   大事な大事な私の宝物だからです。



毎日の暮らしで出会う、
印象に残った人たちを
できるだけ名前で覚えるようにしています。


すべての運行を諳んじる、駅のホーム補助員・高塚くん、
アナウンスの声が凜々しい女性駅員・中村さん、
元気な声に励まされる、会社の警備員・平岩さん、
笑顔が綺麗な36F売店担当・浅野さん。
篤実な人柄がにじみ出る、
社会人向け大学講座事務ヤスナガさん
(耳で聞くだけなので字は不明。「安永」かな?)。


誰もが分業と協業で生きる社会で、
名前でその人を記憶すると
個人と個人が少しつながる感じがするのです。
鎌田さんご夫妻、
リサさんの名前をきっと覚えたでしょうね。



(本日の賄いは大王食堂名物「旅館の朝ごはんのような晩ごはん」。
ズラリ小鉢を並べてみました)