朝の光を浴びて、よく笑い、心と体を動かす(鎌田實)

クリッピングから
毎日新聞2021年5月31日朝刊
鎌田實「さあ これからだ」第180回
巣ごもり老化を防ぐ


鎌田實さんの連載エッセイに
きょうから取り入れたい行動変容のヒントがありました。
ご本人も実行しているようです。


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  (略)
  内科外来をしていて、
  ”巣ごもり老化”が広がっていることに気が付いた。
  大きく分けると、問題が三つある。


  ①不眠やうつ気分になったりする心の不調
  ②認知機能の低下
  ③コロナ肥満や高血圧、高血糖などの生活習慣病の悪化


  ーである。


  これらに対して、ぼくは次のような行動変容をすすめている。
  心を守るための行動変容で、
  まずすすめたいのは、朝、太陽の光を浴びることだ。
  太陽の光を浴びると、幸せホルモンのセロトニンが分泌される。
  このホルモンは夜になると
  睡眠を誘発してくれるメラトニンの材料になる。
  (略)


  よく笑うことも、大切。
  今は自粛生活で、生活が単調になりがちだ。
  特に笑えるようなことがなくても、
  小さなことを見つけて、意識的に笑うようにしよう。


  庭の木が青々と茂ってきた、
  今朝はじょうずにコーヒーをいれられた……
  ほんのちょっと心が動いたら、
  声を出して笑ってみるといい。
  小説や映画で、大笑いしたり、泣いたり、
  心を動かすことも大事だ。
  (略)


  前頭前野を刺激するには、
  考えることと、体を動かすことを同時にすること。
  料理は、手を動かしながら、
  いくつかの工程を組み立てていくので、とてもいい刺激になる。
  (略)


  家と会社の往復の時間、買い物の時間などを
  「運動の時間」と考えて、ウォーキングをする。
  電車でつり革につかまりながら、1分間の片足立ちをする。
  もちろん、家のなかでスクワットや
  かかと落としをするのもおすすめだ。
  (略)


  もうしばらくコロナは続く。
  コロナ対策の行動変容とともに、
  巣ごもり老化を防ぐための行動変容も起こしてもらいたい。

             (医師・作家、題字も)
               =次回は7月26日掲載


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